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炎の第九


昨日は実家に帰ったのだった。

んでもって、2階に、チンチ~ンをしに行くと、畳の上にモモの、んことシッコがお出迎え。

ビニール袋に入れて、


「おめーなー、こんな出迎えねーじゃんかよっ!」


とモモの鼻面に突きつけてやったけど、モモのやろー、


     きょと~ん


としている。

んでもって、もう一度2階に上がると、


     おんや~?


と匂うものがある。

匂いに魅かれて行くと、


     んこ♪


が今度は廊下に落ちてたのを発見。

モモのやろー、2か所で、んこコイてくれていたのである。

ったく、屁見庵は猫フン、実家はモモフンで屁散人、クソまみれである。

で、クソまみれを絶賛しながら、夕方、実家を家出、池袋の芸術劇場に出掛けた。

大きな満月が屋根の上に出たところだった。

前回は、ドボルザークの「スターバト・マーテル」だったが、今回は、泣く子も笑うベートーベンの「第九」である。

「第九」は歌ったことはあるけど、聴くのはおそらく58年の生涯で初めてであろう。

じゅんじゅんさんが良い席を取っておいてくれた。

通路側だからゆったり長い脚を組める。

おまけにラッキなことに、隣とその隣も人がいなかった。

ガハハ的にふんぞり返ることが出来る。

アナウンスもないままに、ライトがす~っと暗くなったかと思うと、そでから正面にあるパイプオルガンに向かって若いねーちゃん・・・じゃなかった、かあいー徳岡めぐみさんが歩いて来た。

曲目は、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」から「行進曲」と「花のワルツ」。

そして、珍辰が来年演奏するとかつては公言したにもかかわらず、楽譜を見て失禁、失笑、現在はスッカリ放り投げたバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」である。

パイプオルガンの独奏を聴くのは初めてである。

コンサートにあまり慣れてないので、独奏というのは、こちらも緊張する。


     間違えるんじゃないか


と思っちゃうのである。

すかも、パイプオルガンというのは、バルブ(っつの?)、あれを引っ張ったり押したり、譜面をめくったり女の子も出てくるのである。

この子も、


     間違えるんじゃないか


と思ってしまうのである。

楽譜をめくりそこなったらどーすんだろ、とか、バルブを間違ったらどーすんだろ、とかそんなことばっかり心配して音楽に集中できないのだった。

んがすかそ、そこはプロ、屁散人の心配をよそに、ちゃんと聞かせてくれた。

とくに「花のワルツ」は素晴らしかった。

こちらの体もしじぇんに歌い出す。

すかそ、パイプオルガンというのは、一人で弾く楽器としては、まことに巨大でぜいたくなものである。

ピアノと違って、一家に一台というわけにはいかない。

んな巨大なもの独り占めできるのだから、演奏者は実に気持ち良かろうと思う。

そーして、観客に背中を見せて演奏するのはどういう気分なんだろう、とも思ってしまう。

パイプオルガンは、手で弾くだけではない。

両足も使うのである。

両手を左右に大きく開き、足も左右におっぴろげる場面もすっかり聴衆に見られてしまうのである。

電車の中でこんな格好をしたら、可愛い目で見られるわけがない。

コンサートホールだからこその姿である。

休憩の後、いよいよメインの「第九」である。

指揮は、小林研一郎。

演奏は、日本フィルハーモニーと武蔵野合唱団。

合唱団は後ろの列から並び始める。

なんだか前回より男声が増えてるような気がするけど、気のせいかもしれない。

そーして、


     いた!


のだった。

そーです、我らの、


     オーヒラさん♪


「スターバト・マーテル」で見事な泣き顔を見せてくれた、オーヒラさんが前列一番左にましましているではないの。

なんか、今日はスッキリした顔をしている。

久しぶりにお風呂に入ったのだろうか。

じゅんじゅんさんの顔も今回はハッキリ分かった。

すかそ、背が低いために、すぐに前の人の陰になってしまった。

いよいよ始まりである。

マエストロ・コバケンが登場。

緊張のしーんとした闇の中から、


     ぽーーーー


という音が鳴り出す。

それからは、あーなったりこーなったり、とても言葉では言い尽くせない。

コバケンの頭が激しく振られ、燕尾服の左の燕尾を左手で激しく搔きあげると、ティンパ二が裂烈!

天を引き裂く響き。

あの燕尾服の左は、痛んでるだろな~、と思うと、そればっかりが気になってくる。

最前列に座っている人は、燕尾服が煽られた風をまともに受けているのではないか。

何故左ばかりが?

それは、右手は指揮棒を持っているからだ。

右手で燕尾服を搔きあげると、指揮棒がお尻に刺さっちゃう。

指揮棒をお尻に刺して指揮した人を未だ見たことない。

やっぱ燕尾服書き上げは左手に限るのだった。

第2楽章が終わると、コバケンは、あろーことか指揮台を降りて、勝手にそでに引っ込んでしまった。

演奏が気に入らなかったのだろうか。

頭を振り過ぎて、中身がどこかへ飛んで行ってしまったので、それを探しに行ったのだろうか。

とまもなく、4人のソリストたちが入場した。

ソプラノ・安井陽子、メゾソプラノ・栗林朋子、テノール・錦織健、バリトン・青戸知の面々。

コバケンは、ソリストたちを迎えに行ったのだった。

まもなく第3楽章。

こんなにゆったりとした第3楽章は初めて聞いた。

演奏は難しいだろうけれど、宇宙の波動を身にまとうような感じで、気持ちがいい。

クラリネット独奏のとき、オーボエのおじさんが口を開けて一緒に歌っているのが見えた。

後ろの合唱団は、まだ座っているが、ファゴットの隙間から、オーヒラさんの顔が見える。

オーヒラさん、少し泣き顔になって来た。


     キタキタキタぁ~~♪


第3楽章そっちのけで、オーヒラさんの顔を見ていると、まことに申し訳ないのだけれど、笑いをこらえるのに必死なってしまうのだった。

そしてフィナーレ。

3つの楽章が回想されるが、ダブルベースによって、それって違うんだもんね、と演奏される。

それが心の奥底から湧いてくるような言葉となってあらわれる。

そすて、いよいよあの、


     はれたる青空 ただようく~もよー♪


のメロディ。

ほいでもって、あれやこれやどれやそれやあって、合唱団が一斉に立ち上がり(お見事!)合唱が始まる。

屁散人も一緒に歌った(知ってるとこだけ♪)。

そして、気が付いた。

オーヒラさん、


     泣いてない


その表情は自信に満ち、明るく堂々たる輝きに満ちていた。

それは神の放つ、歓喜の火花のごとくであった。

コバケンの左手が天を指す。

そうして会場のすべての人に向かい、ぐるりと左手を回す。

ソリストが光を放つ。

オーケストラが火花となって滑走する。

合唱団に歓喜の炎が立ち上がり、その火焔の熱気が渦巻き、咆哮する。

オーヒラさんの声がハッキリ聞こえる。

じゅんじゅんさんの顔が見え隠れしながら輝いている。


     喜びよ 美しき神の火よ!

     喜びよ 美しき神の火よ!


コバケンの指揮棒が下ろされると、会場からは、


     ブラッ棒ーーーーーっ!


と共に万雷の拍手があがった。

合唱団もソリストたちも拍手の嵐である。

ベートーベンと演奏者と聴衆が、一体となった瞬間であった。







屁見に帰って「ひっぱり凧」で飲む。 帰宅、午前2時45分。 ハハハ♪





[晴れ]今日のお干しさま   

     ・蕪 2個 

     ・リンゴ 2個   


[ビール]お体重セット(目標:朝の腹ペコ体重=64キロ 7月5日開始)

     昨夜の満腹体重=68.4キロ(当初70.8キロ比 -2.4キロ)

     朝の腹ペコ体重=67.8キロ(当初68.5キロ比 -0.7キロ)

 
[わーい(嬉しい顔)]第3弾 昨日のお貯め(日本国語大辞典購入!目標47,250円 8月31日開始)

     お投入=177円~♪

     ご累計=43,327円~♪


マンション・屁見庵 001.JPG

屁見庵の2階より。この茶色な感じがなかなかに好きだなぁ♪






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hirochiki

とっても素敵なコンサートを堪能されたようですね☆
「花のワルツ」は、かなり昔にピアノの発表会で演奏したような・・・
私は カトリックの学校に通っていたこともあり、「主よ、人の望みの喜びよ」は、一時期ケイタイの着メロにしておりました♪
ベートーベンの「第九」、私も聞いてみたいです!
by hirochiki (2010-12-22 07:25) 

屁散人

→hirochikiさん

へ~、hirochikiさんピアノやってたんですね。
羨ましいなぁ、楽器が出来るなんて。
花のワルツは、好きな曲で、「主よ・・・」も好きですね。
「主よ・・・」のCDは何種類か持ってます。
第九は、やっぱいいです。
初めて生を聴いたけど、やっぱ生は、迫力が違います。
少々無理してでも一度は聴いておきたいですね。

by 屁散人 (2010-12-22 08:35) 

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