恐い、といふこと
昨日、句会のあと犬客が、
「女房が8時ころまでいなくなるから、鵠沼で飲もうよ」
という。
鵠沼は、犬客の自宅があるところである。
鵠沼で飲もうよ、という理由の一つには、句会場まで車で来てるから、この近くで飲むことは出来ないということがある。
これは分かる。
んが、
「女房が8時ころまでいなくなるから・・・」
というのはどういう意味であろうか。
「かぁちゃん、どっかへ行っちゃうのけ?」
「娘とね、コンサートに行くの」
「へぇ、それって何時から?」
「ちょうど今ころ出かけるのね」
つまりは、女房・娘がいなくなった隙に、あめどんと屁散人をつまみに飲もうというのだった。
車で鵠沼海岸駅まで行き、そこであめどんと屁散人を下ろし、犬客は車を自宅に置きに帰った。
「やしち」という店で、あめどんとアジフリャーかなんかをつまみに飲んでいると、しばらくして犬客がやって来た。
刺身なんぞをつまみに飲んでいたら、
「あのね、あの屋台の焼き鳥屋行こう」
という。
駅近くに屋台みたいな焼き鳥屋があって、狭いながらも、安くて、んまいと犬客は言うのである。
すかそ、早い時間からはやってないようなのだ。
7時か7時半ころだったか、
「ちょっとボクみて来るからね」
と、犬客は焼き鳥屋へ見に行ったけれど、まだ空いてないということだった。
「よし!今日は、ボクのおごりだからね、次に行こう!」
何故か犬客はゴーセ―なことを言う。
「じゃ、一人2,000円ね」
「あのよ、今、ボクのおごりだって言ったでねーのー」
「ボクのおごりだからね、次に行こう!と繋がるから、次からおごりなのね」
行く途中、あめどんはコンビニでデザートを購入する。
これから寿司を食べに行くのに、なぜにデザートなのか。
これが分からない。
まぁ、分かったところでどーしよーもないけれど。
犬客につらつら歩かされて、すし屋に入った。
「それ、多いよー」
注文しようとすると、すぐに犬客から注文が入る。
これにはもう慣れっこになっているあめどんは、犬客案との折衷案を素早く案出し、上のにぎりに、納豆巻やナントカ巻、海鮮酢のものを素早く追加したのだった。
しばらく飲んでいると、犬客の様子がおかしい。
なんだか落ち着きがないのである。
目が泳いできている。
「どした?犬客」
「そろそろ女房が帰ってくるんじゃないか、と思って」
「いーじゃんけ、帰って来たって」
「そーよ、そーよ、家だって犬客さんが建てたんだから、奥さんなんかに遠慮することないわよっ!」
こういうことになると、あめどんは激しく歌劇に・・・過激になるのである。
でも、家を建てることと、寿司屋で飲むこととの間に何の関係があるのか、という疑問の主張は、分かるようでいて分からない。
が、あめどんの中では、これらは密接、不可分、癒着につながっており、これらを分割することは、人生が崩壊するほどの大事件となるらしい。
しじぇん、過激になる。
9時を過ぎると、犬客、いよいよ落ち着かなくなり、目が平泳ぎからクロール、背泳ぎとなり、横泳ぎを経て、ついにバタフライがザブザブ始まり、体が椅子の上で弾み始めたのである。
椅子がギシギシ音を立てて揺れる。
板さんの目が見開いたまま驚いている。
「わーった、わーった、犬客、もう、お開きにしましょね」
というと弾んでいた体が、すとんと椅子の上にお座りして、
「わん、わん、きゃい~~~ん」
と涙を流したのであった。
「腹ごなしに、駅まで送って行くからね」
と犬客は、鵠沼海岸駅まで我々を送ってきてくれた。
下り電車がホームに入って来たのを見た犬客は、
「あれに女房が乗ってるかもしれないから」
と言ったかと思うと、
「ボク、今帰るからね。ボクすぐ帰るからね。女房、ゴメン。みんなね、あの屁散人とあめどんが無理やり誘ったんだからね。ボクが行こうって言ったんじゃないからね。ゴメンね。ゴメンね。ゴメンねーーーーーーっ!あ゛-----っ!」
と、言い訳の練習をしつつ、泣きながら走り去ったのでした。
お体重セット(目標:朝の腹ペコ体重=64キロ 7月5日開始)
昨夜の満腹体重=69.2キロ(当初70.8キロ比 -1.6キロ)
朝の腹ペコ体重=68.3キロ(当初68.5キロ比 -0.3キロ)
第3弾 昨日のお貯め(日本国語大辞典購入!目標47,250円 8月31日開始)
お投入=476円~♪
ご累計=28,852円~♪
藤沢湘南台公園の桜紅葉。ケヤキや銀杏も良く色づいてたな。
2010-11-21 10:22
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コメント(2)
犬客さんは、その後大丈夫だったのでしょうか?
嘘をついても、妻はすぐに見破りますから^^
”長年の勘”といいますか”女の勘”といいますか・・・(笑)
by hirochiki (2010-11-22 06:03)
→hirochikiさん
ダイジャブだったと思います、たぶん♪
この感じで何十年も過ごしてきたから、女房の方もすぐ見破ってしまっていたでしょね。
それでも釣り合ってるんですから、夫婦というものは不思議なもんだなぁ。
男は「女の勘」にいつも怯えているんですな。
その怯えてることを、女房は激しく知っている、っつことだと思います。
by 屁散人 (2010-11-22 06:41)