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スターバト・マーテル 中


1階I席10番、通路から中へ3番目の席に座っていたのは、若いネーちゃん・・・若い女性であった。

これだけで屁散人、舞い上がってしまった。

すかも、若いに加えて、美人♪なのである。

上がらないわけにはいかない。

緊張しないわけにはいかない。

ここ数年来、んにゃ、十数年来といっていい、若い女の子に自ら声をかけるなんてことはなかったのだ。

いつも、若い女の子の方から声をかけられているばかりだった。


「ジジィ、邪魔なんだよっ! あっち行けっ!」


ははは。。。

その女の人とは、ブログで交流してはいても、今日が初対面である。

まずは、お腹の出っ張りに気付かれないよう、息を吐きながら、ぐぐぐっと凹まし、身をかがめ、


「あ、あのぅ・・・」

「はい♡」


あ、あ、あ、あ~~~~! こっち見た、こっち見たぁ!

女の子がこっち見たぁ!

ひぇ~~~~♪

声をかければ、こっちを見るのは当たり前である。

その当たり前のことが、激しく、凄まじく嬉しい。

こういうことは、ジジィになってみないと分からないことである。


「えと、アヤさんでござろますよね、ね、ね?」

「ござろまそでん」

「あ、えと・・・」


舞い上がってしまった屁散人は、次の言葉が出てこない。


「あれ?あんまりお腹出てないじゃないですか」


このアヤさんの言葉を聞いた途端、気が緩んで、


     ポコッ♪


と、音を立ててお腹が元に戻ってしまった。

というより、屁散人の腹のヤロー、女の子を見たもんだから、いつも以上に張り切って、つきたての餅がベルトの外へ流れ落ちるがごとく、前方にせせり出てきやがったのである。

ジジィ化の進行を見られまい、悟られまいとしていたのに、腹のヤローのせいですべて崩壊。

一気に、クソジジィの正体をあらわしてしまったのだった。

すべてを悟ったアヤさんは、


「じゃ、後で」


と、優しくそう言ってくれた。

開演の時刻が近づいて来た。

F列12番、通路側、ジュンジュンさんが屁散人のために選んでくれた、脚長もん専用席に戻って、ゆったりと長い脚を組み、なぜか高い座高をさらに上に伸ばしつつ、出演者を待つ。

合唱団の女声陣が入場、後ろから一列ずつ並んで行く。

2列目、3列目と順々に入場してくる。

眼鏡をして、ジュンジュンさんの姿を探すが、それらしき人は見当たらない。

ジュンジュンさんには、会ったことがない。

ただ、ブログで写真を見ているので、すぐ分かるはずである。

なのに、入場してくる女声陣たちの中に、どういうわけか、ジュンジュンさんの姿をついに見出すことが出来なかった。

もしかしたら、日曜に髪を15センチ切り、


     ボブ


という形式にしたというから、そのためかもしれない。

そのボブっつのが、どーゆー髪型か屁散人が知らなかったためかもしれない。

あるいは、第一バイオリンの人たちが目の前にあり、それでジュンジュンさんの姿が隠れてしまったからなのかもしれない。

あ~、そうだ、っと今になって悔やむ。

ブログで紹介していた、花の付いた白いブラウスで探せばよかったのかもしれない。

悔恨と懺悔と尿意に激しくうち萎んでいるいるうちに、合唱団がそろい、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団員がそろい、独唱のソプラノ大隅智佳子さん、アルト清水華澄さん、テノール高橋淳さん、バリトン福島明也さんがそろい、指揮の下野竜也さんがそろって、いよいよ「スターバト・マーテル」の始まりである。

下野さんが指揮台に上り、管弦楽団を前に両手を前に組むと、ホール全体が、


     しーーーーーーーん


と静まりかえった。

のだった。


            (つづく)







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横須賀駅・ヴェルニ・衣笠・三笠・汐入他 015.JPG

夜のヴェルニー公園。光を浮かべているのが横須賀本港。デートに最適♪






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