『われ中!』3 ~名札はエライっ!
翌朝6時、布団に転がっている珍辰をケツ目に・・・尻目におサンポに出かけた。
尾花沢は、芭蕉が10泊したところである。
そのうち7泊は、土地の紅花商人・鈴木清風の計らいで養泉寺に泊っている。
お寺は宿から5分くらいの所にあり、その下には田んぼが広がっている。
田んぼは、すでに稲穂が垂れており、収穫の時期が近いことを教えてくれている。
稲が良い匂いである。
田んぼの道をせっせと歩いていて、ふと、
走ってみよかなぁ
と思いたって、ゆっくり走りだした。
ほいだら、100メートルほど走ることができたのだった。
これは大チン歩と言ってよい。
おサンポを始めて1ヵ月半ほどしてから、チビッと走ってみてはいたのだが、脚を傷めてはいけないから、走っても50歩でやめていたのだった(ちゃんと数えながら走った)。
足はドタバタして体も重く、お世辞にも綺麗な走りとはいえないが、これでチビッと自信がついた。
一気に距離を延ばすなんてことは無理だけど、これから少しずつなら距離を延ばして行けそうだ。
稲の香パワーが走らせてくれたよーな気がした。
1時間半ほど田んぼや町中を歩いて宿に帰り、しばらくすると、
「がはは~♪私、ジュエリ・八王子と申します。宝石会社の社長さんです。ガバチョと儲かっております。私、ジュエリ・八王子と申します・・・」
来た・・・。
あの声は、まさしくジュエリ・八王子であった。
昨夜、仕事が終わった後、東京から夜行バスに乗って、早朝に山形駅に到着、そこから大石田まで列車に乗り、宿まで歩いて来たのだった。
「がはは~♪私、ジュエリ・八王子と申します。女房愛して30年、痛風になりました宝石会社の社長さんです。痛たたのジュエリ・八王子と申します。ガバチョと儲かっております」
「パターン変えたね」
「うはは~♪私、・・・」
「それはもういいの!」
「うはへ♪」
「痛風って、ほいだら飲めないんでなくね?」
「そーなんです!A地点からぁ、B地点までぇ~♪」
「・・・・・」
「今、お薬飲んでおりますので、お酒は一滴もいけません。庶民の知らない美味しいものをさんざん食べ、ガバチョと良いものを飲んできましたからね。がはは~♪私、ジュエリ・八王子と申します。痛風になっちゃいましたのです。グスン・・・」
今日は、昼ころ山口食堂に行けばよいということだったので、朝食後、珍辰、あおばばばぁちゃん、痛風ジュエリ・八王子と近くの芭蕉清風資料館に寄って梅津先生に挨拶してから、宿を探す。
ホントなら宿にもう1泊するはずだった。
すかそ、先方の思い違いで他のお客が入れてしまい、あおばばばぁちゃん以外、つまりヤローどもは今晩泊れなくなってしまったのだ。
資料館近くの宿へ恐る恐る行ってみる。
んが、花笠祭りだもの、土曜日だもの、空いているわけがない。
んだもんで、交差点近くの仮設テントに、観光案内所があったので聞いてみることにした。
珍辰は、徳良湖のオートキャンプ場に泊ってみたい、という。
夏休みだもの、その最後の土曜日だもの、んなところ空いているわけがない。
んが、係の女の人が一応聞いてみると、
「宝くじに当たるよりラッキーでしたよ!たった今、キャンセルが出たんです」
「おひぇーーーっ、やったぁっ!」
午後1時から5時までの間に手続に来てほしい、という。
山口食堂には11時半ころ入った。
3日間のお祭り最終日である。
お客は途切れることなく、つぎつぎにやってくる。
「ジュエリさん、名前を胸に貼っておいてください」
と山口食堂の3女・イズチンが言う。
昨日、珍辰は、
かのぱぱ
とガムテープに黒のマジックで書いて胸に貼った。
屁散人は、沈思モッコリ悩んだ末、
このぱぱ
と書いて胸に貼った。
ジュエリは、
樹恵里
と書いて貼った。
「なんか、場末のスナックみたいだなぁ~、あひひ」
しばらくして、ジュエリ、やっぱ気に入らなかったようで、樹恵里の下に、
そのぱぱ
と書き足した。
樹恵里そのぱぱ
は満足げに微笑むと、テントから通りに出て、
「がはは~♪私、ジュエリ・八王子と申します。またの名は樹恵里そのぱぱというのだった。さぁ、いらっさ~い!冷た~いビールが冷えてますよ~♪いらっさ~い!」
と呼び込みを始めた。
「いひひ、冷たいビールが冷えてる、だってよ♪」
作務衣姿のジュエリ・八王子は、名前が気に入ったのか、この炎天の中、額を汗で光らせて大張り切りである。
「さぁ、いらっさ~い!美味しいですよ~、なぁ~んでも冷えてますよ~♪いらっさ~い!」
何でも冷えてる、だってよ。
夫婦関係も冷えてる、ってか。
いひひ♪
「妻を愛して30年!そんな可愛い子猫ちゃんとの熱い関係が、冷えるわけがありませんっ!」
「あ、聞いてたのね♪」
(続く・・・みたいな)
★昨日、パイナポーを丸ごと1個買って来た。
んで、今朝、これを解体して一口食べてみたら、
甘ぁ~~~~い♪
パイナポーってこんなに甘かったの?
シロップ漬けの缶詰めなんか問題にならないくらい、甘い。
これからドンドコ食べなくっちゃ。
1個300円もしなかったと思うけど、1口サイズに切ったら、大きなタッパーにぎっしりあった。
今日、帰ってきてからの冷え冷えのパイナポーが楽しみだ。
因みに、フィリピン産であります。
冷え冷えのビールに、冷え冷えのパイナポー♪
ばんざーーーーいっ!
お体重セット(目標:朝の腹ペコ体重=64キロ 7月5日開始)
昨夜の満腹体重=67.8キロ(当初70.8キロ比 -3.0キロ)
朝の腹ペコ体重=65.3キロ(当初68.5キロ比 -3.2キロ)
★何げにはみ毛に夜の満腹体重が微増してるよーな・・・。
第3弾 昨日のお貯め(日本国語大辞典を買います!目標47,250円 8月31日開始)
お投入=358円
ご累計=1,311円~♪
花笠踊りを待つ人々。出演者の家族や、友人知人が見守る。
2010-09-03 08:08
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コメント(2)
写真は何の建物なんでしょうか?空き家っぽかったね。
なんだか尾花沢を象徴しているようにめーました。
んで、パイナップルの糖もお砂糖と同じカロリーがあるので、
パイナップルをつまみにビールはカロリー高いよ。お気をつけになって下さい。
by あおばばばぁちゃん (2010-09-03 20:15)
→あおばばばぁちゃん
あの建物は銀行か医者だと思ったけど、忘れちゃったなぁ。
雪下ろしが大変そうだったよん。
パイナポーを丸ごと買ったのは初めてで、今日行ったらもう売り切れてた。
なかなか店頭に並ぶことはないんだよね。
んだもんで、出た時勝負で、食える時食っちゃお的に激しく攻めよう。
あと何時食べられるか分かんないもんなぁ。
ほいと、パイナポーダイエットっつのがあって、これでドカンと痩せられるみたいよ。
by 屁散人 (2010-09-03 20:53)